コラム

室戸ジオパーク「世界認定記念」イベント報告 〜 ジオツアー コース3〜

2011年12月18日(日)

昨日から観光協会主催のガイド養成講座が始まりました。
参加者の方から、コース3だけ報告があがっていないじゃないかとご指摘を受けました(苦笑)遅ればせながらご報告いたします~。

<コース概要>
やすらぎ→吉良川西地集落の八幡宮→吉良川・山崎染物店→土佐備長炭炭焼き小屋→吉良川まちなみ→新村遊歩道(付加体の観察)→やすらぎ

「山の恵みを感じる」と題されたコース3は、吉良川地区を中心に、隆起し続ける大地と人々がどのようにかかわりながら暮らしてきたのかを探訪しました。
27人乗りのバスは、地域の郷土史家の方や、山口県でジオパーク構想を持っている地域の方、新聞記者の方、そして地元の高齢者のみなさんと、老若男女さまざまな方たちで満席でした。
まず、訪れたのは、「西山きんとき」「キラ坊スイカ」などの農作物で有名な西山台地。日本の海成段丘地形の代表的存在である西山台地が、なぜこれほどまでの大規模農業地域になったのか。地形図を見ながら、隣接する崎山台地の歴史と比較しつつ、現地を観察しました。西山台地の開拓が200年前に芸西村の人々によって始まったこと、台地に刻み込まれた天然の谷を利用して溜池が作りやすかったことなど、室戸の郷土史家の飛び入りガイドも交えて、楽しく学びました。
次に訪れたのは、山崎染物店。現在4代目の職人さんが、染物店の歴史を紹介してくださいました。初代が赤岡で大津波により店舗を流され、出身地の吉良川に戻ってきたこと、染色作業に必要なきれいな水を求めて、現在の東の川の近くに移ったこと、室戸台風で住宅が半壊したことなど、高知県ならではの自然災害と闘ってきた歴史を紹介してくださいました。
次は、吉良川地区にある、土佐備長炭の炭焼き小屋を訪問。身近にある資源を利用して現金収入を得る人々の生きる知恵を学びました。炭焼き小屋の次は、大阪との備長炭交易によって栄えた吉良川の町並みを散策。地元の町並み保存会の20代の女性の方が、わかりやすくガイドしてくださいました。そして最後は、これらの人の営みが繰り広げられている室戸の大地の成り立ちを理解すべく、新村遊歩道へ。海岸のシマシマの岩がどのようにしてできたのか。海洋プレートが動くことで、室戸の大地が作られていることを学びました。
このコースでは、参加者が持っている情報をどんどんお話しいただく工夫をしました。ジオパークが、人と自然のかかわりを理解するテーマパークであること、そして、みんなで学びあいながら、ジオストーリーを作り出すことの楽しさを少しでも理解していただければと思い企画しましたが、お楽しみいただけたでしょうか…。


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