コラム

最も新しい海に浮かぶ古火山島

2013年10月23日(水) ジオ旅自然科学

A0001470世界認定された隠岐ジオパークで、第4回日本ジオパーク全国大会が開催されました。昨年の第3回は室戸で開催されたものです。私は、大会の前に行われた会議や大会中は分科会のコーディネートをするために参加してきました。全国大会自体は、台風の影響があって、予定されていたいくつかの巡検コースがキャンセルになりましたが、大会そのものは順調に終わったようでした。とはいえ、せっかく多くの人が費用を負担して参加している大会なので、もっと議論をする時間が欲しかったな〜と思いました。

 

以下、大会の様子です。

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首長セッションでの意見交換の様子(左:糸魚川市長、中央:室戸市長)

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ガイドの意見交換会の様子。

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ガイドの意見交換会の様子

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ジオツアーの様子

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ジオツアーの参加者

 

ここまでで、本編は終了しました。が、、、、、私、すごい不安になってしまいました。隠岐っていったいどんなジオパーク?たしかに、島だし固有の生態系があるそうで、、、でも隠岐がどんな島なのかシンプルに言ってくださる方がいない。室戸だったら、喫茶店でも民宿でも「ここは、地震で盛り上がるところ」という話が簡単に聞けてしまうのですが、隠岐ではなかなか聞けない。そこで、オプションツアーにも参加してみました。さらに、現地の専門員にちゃんと徹底的に岩しか見ない案内もお願いしました。すると、やっと分かりました。

 

 

とにかく、最も重要な露頭はここです。隠岐が島になった理由が分かります。この岩壁の中央に白っぽい部分がズドンと入っているのが分かるでしょうか?これは、約500万年前に日本海に噴火した火山の根っこです。隠岐は、最も新しい海(日本海)に突如現れた火山島だったのです。

隠岐パノラマ

 

 

この白い岩の近くの別の火山の根っこを見ると、こんな大きなマグマの気泡が固まっています。まるで帽子パンみたい!

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海に目をやると、、、こんな岩も

 

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こんな壁にも火山の根っこがありますね!

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火山ですから、火山灰や溶岩が固まった岩などが土砂崩れを起こします。そして、そのまま岩になっているのがこの写真の場所です。穴が空いているのは、人間がトンネルを作ったから。今にも落ちてきそうですよね。

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この火山によってできた地形は、まるで天然の定置網のようになっていて、湾の奥にイカが追い込まれてくることがあるようです。

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ガイドさんの持っている写真のイカもスゴイデカイ。(西ノ島の江崎さんは、すごくシンプルに隠岐の島の成り立ちと、生態系の関係について教えてくださいました。しかもかなり楽しい!!!最高のガイドさんでした!)

 

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イカが追い込まれる湾の奥には神社があって、

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境内はイカだらけです。

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もちろん、隠岐ではシロイカをたくさん頂きました!

さて、私はオプショナルツアーに参加して、さらに専門員の方に露頭を案内していただいて、やっと隠岐ジオパークの伝えたいことが分かりました。はたして、今回、参加した多くの方は本当にそこんとこを分かって帰られたか、ちょっと不安です。このあたり、室戸ジオパークも同じような課題があって、ジオサイトに行っても結局は室戸ジオパークってどういう場所か分からないという方も大勢いらっしゃいます。一部のジオサイトでは、そこがジオパークかどうかさえ分からない場所もあります。課題山積みですね。頑張ります。

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