室戸は人間らしい暮らしができるとこ。
お金をかけずに遊べるところ。

父(右)・正悟は長州の出身。1973年から室戸びとだ。
「“知りたい”がすべての原動力」と語る無類の勉強好きが、室戸で海洋深層水と出会った。
さっそく、海のミネラルをバランスよく含んだからだにやさしい塩を求めて、天然天日塩を試作する。
釣った魚を海洋深層水を使って干物にしてみる。
そしてその無限の可能性を確信し、以来、自ら工夫を重ねた実験を続けている。
「海のことはぜんぶ知りたいきね」と早朝から漁船を操り、海洋写真を撮り、魚の学名や地方名を調べ上げ、お魚博士の異名を取る。
が、本業は肉屋である。
「(肉屋の商売で)城を確立しなくては、好きなこともできん」と、日中はお肉博士に変身だ。
息子(左)・泰正は「にくや 牛正」の2代目として、父とともに目利きした肉の小売りと卸しに勤しむ。
そのまた息子は、祖父と父を見て育ち、「お肉屋やりたいな」 「お魚屋もいいかな」と目下迷い中。
素直な少年にちがいない。
泰正は室戸市商工会の理事も務め、昨年に続き今年も「室戸ジオパークトライアスロン」事業にも尽力。
ひとりでも多くのひとに室戸に来て好きになってもらうために、仲間と奔走する。
父子が語る室戸の魅力は、「知っちゅうひとに魚をあげると野菜がかえってくる」と「ひとがえい(良い)」。
そう口をそろえるふたりも、確かに「えい」笑顔。

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