室戸の海を借景に。
目玉料理がないのが、 目玉です。

北川博詞は、「板長」と呼びたい食の職人だ。
運転手や鉄工所勤めもやったけど、料理がいちばん性にあっていた。
今の場所に「キッチンカフェ海土」をオープンしたのは、7年前。
窓に向かうカウンターは、おひとり様の特等席。
本格和食ありラーメンありピラフやパスタまでありの多国籍食堂は、
内装に贅を凝らさなくても、眼下に望む太平洋が室戸らしいおもてなしだ。
一昨年の台風の時は、横殴りの風に屋根が落ちた。
自然の借景は、なかなか厳しくもある。
「食べて、おいしくて、お腹いっぱいになってもらう」を目指して、どの一品もボリューム満点。
お客さんが毎日来ても飽きないようにと考えたら、何ページものメニューができた。
目移り必定である。
妻とは、以前勤めたレストランで職場結婚。
「料理人は裏方。お客さんにホメられるのも怒られるのもフロアー担当の仕事」と、
新作の開発には妻の意見に大いに耳を傾ける。
休日は、大好きな釣り三昧。
釣った魚をどう料理しようかと、ここでもアタマはちょっぴり仕事モードだ。
「世の中は10年周期で変わる。ここもこれでいいと思ったらパッとやめる」という夫に、
「まだやめたら困る」と相方が絶妙のタイミングでひと言。
「まだまだ続けてもらわんと困る」という常連さんの声がそれを後押しする。


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