高知の酒蔵1 9 軒の、
宣伝マンのつもりです。

「お客様が1 0 0人いたら1 0 0 通りの好みがある。
甘いのが好きか辛いのがいいか。お土産なら差し上げる方の好みをお聞きします」
野町浩一朗は、高知の酒蔵すべての銘柄をそろえて、高知の酒に特化して販売している。
福岡の大学から就職は広島へ。17年前に室戸に戻り、酒店を継ぐ。
開店から閉店まで、夫婦は自宅に帰っても24時間一緒が多い。
「主人は“いごっそう”で、中途半端が嫌い。
納得いくまでとことん追求するので時間がかかるけれど、お客様を大事に思っています」
山側育ちで生魚が食べられなかった妻は、室戸ですっかり魚好きに変身。
「朝、海がキラキラしている景色を見て贅沢だなぁと」
働き者の妻は、ネット対応と接客で夫を強力にバックアップする。
夫は「今日カツオのたたきに合わせたい」とか
「前回選んでもらったのがおいしかったから」と
お客様の要望にぴたっと応えてリピートしてもらうのが至上の歓び。
「何がおすすめですか?」と聞かれると、
「何がお好みですか?」と聞き返し、一人ひとりに合うものを提案する。
帰省し県外に帰る時に必ず寄ってくれる人も多い。
「ふたりで旅して、おいしいお酒や食事を堪能したい」という夢の実現は、もう少し先になりそう。
室戸で有能な酒の宣伝マンに出会って、高知の酒のファンがもっともっと増える日まで。


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