吉良川町に流れる、静かな時間。
不便さも、味わいだと 思います。

1997年に高知県で初めて、重要伝統的建造物群保存地区に選定された吉良川町(きらがわちょう)。
台風銀座と言われ、暴風雨に見舞われることの多かったことから、
強い雨や風に対して土佐漆喰や水切り瓦、
軒の低い民家などを代々の職人たちが知恵を絞って造り上げてきた。
山下容子の職場は、御田八幡宮前にある、吉良川まちなみ館。
古い民家を改修し、歴史ある町並みの資料や旅人がひと休みする場を提供する施設だ。
畳敷きの開放的な部屋は、時に近所の人々の憩いの場にもなる。
きっかけは、高知市内で結婚した夫が、土佐備長炭の製炭師になるべく吉良川町に移住したこと。
室戸に家を借り、子どもが保育園に行っている時間、ここのスタッフとして働く。
「吉良川の風景が好き。この一角の情緒ある佇まいにほっとします」
高知市内に比べて圧倒的に買い物の便は悪いが、人は優しいし空気はいいし、子育てには最適。
しかも縁あって良いところに職を得られて幸せだと言う。
人が減っていると言われる室戸でも、この町には年間5,000人以上の観光客が訪れる。
春や夏の休みは親子連れが多く、歩き遍路の人も白壁に溶け込むように景色の一部となる。
「室戸にお越しの際は、ぜひ吉良川にお立ち寄りください。より多くの方に、
ここでのゆったりした時の流れを味わっていただきたい」

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