待合室では、 井戸端会議。
みんなが気軽に集まる場になれば。

祖母と父が営んでいた魚屋の跡地に、この春、「みなみ接骨院」が開業した。
南友希は「柔道整復師」。同じ資格を持つ婚約者の津川香織とともに、羽根町(はねちょう)で始動した。
関東の専門学校で学び、接骨院で修業を積み、室戸に帰って来た。
「高齢者が多いが、ここには接骨院がない。役に立てればと考えた」
口コミで徐々に訪れる人が増えてきた。
待合室でおばあちゃんたちが楽しそうに話している風景もいいなと思う。
小中学生の頃は野球と陸上の長距離走に夢中で、
成長期にオーバーワークでケガをする仲間を身近で見ていた。
いずれはここで、子どもたちにケガを予防するためのアドバイスをするなど、
スポーツトレーナー的なサポートもしたいと夢を持つ。
「帰ってきて、同級生とまたつながった。
子どもの頃、近所の饅頭屋さんや散髪屋さんに集まってよく遊んでいた仲間だ。
自分の店も、今の子どもたちが気軽に集まれる場になればよいと思う」
痛みを取ったり治したりするだけでなく、ケガをしない体づくりのお手伝いをしたい。
おかげさまでリピーターも増えてきているが、もう少し仕事として軌道に乗ったら、その時ふたりは結婚に進む。
「頑張ってみなさいと彼女を送り出してくれたご両親のためにも、
一日も早く次のステップに進めるよう精進します!!」
平成生まれの爽やかな技術者カップルの船が、室戸から船出した。

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