親子だから、ケンカしても持ち越さん。
下戸の父が作る料理が、 酒好きを魅了する。

一度は大阪に出た家族が、室戸に戻ってきた。
呑喰処こまっちゃん家の小松一家だ。
父・隆志は、和食の料理人。オープンキッチンで腕を振るう姿は、熱い職人風。
ホールでは、母・美紀と長男・竜之介のツートップが、お客さんの海をスイスイ泳ぐ。
以前は割烹料理店だったが、昨年、朝獲れのキンメや地物の刺身、
酒に合う創作料理が自慢のカジュアルな店に生まれ変わった。
大阪では全国から集まる食材や料理を見てきたが、やはり室戸の魚と野菜は最高だ。
豊かな自然が育む素材のちからは、他に例がない。
「まず、地元室戸の人に愛される店になりたい」「 全室女性だけの日もあるくらい」
「ありがとうございます!!と声を出すことを心がける」。
それぞれの一言から、お客さんを大切にして、味にうるさいファンを集める店の顔が見えてくる。
息子が店を継ぐと決め、両親はここが勝負と思い切って改装を決めた。
「お客さんと近くなって楽しい」 「舞い込んだチャンスと発奮した」
「 お客さんが笑顔で帰ってくれたら幸せ」と、作戦成功。
若大将は室戸高校時代の甲子園球児だ。
「たくましいと思います」と母がうっとり言えば、ぶっきらぼうに「見た目だけでしょ」

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