地球は青く光る星。
その青のずっと奥深くに生きる。

太陽系第三惑星であり、太陽系唯一の「水の惑星」地球。
地球の微妙な位置がいまよりも太陽に近くても遠くても、水は身につかず、
したがって生命は存在しなかったという意味で、まさに奇跡の星だ。
石川勝美は、高知大学前農学部長(現・副理事)であり農学博士だ。
そもそもは「種を播く」ことを研究対象とし、当然の流れとして
「種を生かす環境」へと探究生活が展開していき、突きつめれば「土と水だ」となり、
「なんといっても水です、百様に変わるこの世界の奥深さは計り知れない、と」確信を得るに至った。
その延長上で室戸の海洋深層水を研究対象とし本格的に取り組んでいる。
表面の3分の2を覆うおよそ14億立方キロメートルの水で包まれた地球。
しかし実際のところその大部分は海原の水であり、淡水はわずか2.5パーセントの「海水の惑星」なのだ。
その海原の遠い底で生きる海洋深層水は、地上の歴史などおよびもつかない
長い歴史のなかで数知れない生命を育んできた「惑星の富」であると教授は言う。
あきらかに物性値が表面の海水とは異なる。
地上の作物に優れた効果をもたらす。
「ただし、この価値についてはまだほんの一部が解明されているに過ぎません」
言い換えれば人智がまだ及ばないほどの世界がみなぎっているということ。
人間の生活にどんな豊かさを生むか、どんな喜びをもたらすか、研究は着々と進行している。

pagetop