何が問題かを見極めて、
決して逃げない。

「人は信念と共に若く、疑惑と共に老ゆる」
マッカーサー元帥の座右の銘としても知られるサミエル・ウルマンの詩“青春”。
室戸海洋深層水株式会社の小松静雄が、
「磨かぬ刃物は切れぬ」の社訓とともに壁に掲げる一節である。
海洋深層水から、より良質な塩とにがりをより効率よく製造するために、
大学や企業と協働して数々の難問を解決しながら進んで来た。
前職は農協職員。農業、機械、金融そして農産加工…と、
様々な分野で積んだ経験が、すべて今に役立っている。
「どんな難題も、絶対やり方はある」と海洋深層水に真っ向から向き合い、
「塩製造工場における廃熱等を活用した省エネルギーの取り組み」のテーマで、
2 0 1 7 年の省エネ大賞を受賞するに至った。
化石燃料を全く使わず、ミネラルバランスのよい塩を作る日も近い。
が、仕事だけの人でもない。休日は、川や海で魚との知恵くらべ。
工夫した仕掛けで鰻を獲りまくり、自宅の冷蔵庫に鰻を切らしたことがなかった。
海釣り好きが高じて船舶免許を取得。
仲間と船を持ち、先週は10キロの沖鰆を2本上げた。
謡曲にもはまり、教師の資格を取った。仕事も遊びも、徹底的に本気である。
「人生は挑戦。闘争心を持てばずっと青春」と涼やかに笑う。
困難な課題を前に、それをどこかで楽しんでいる猛者。
帰りがけ、呼び止められてそっと見せてくれたのは、自慢の自作ルアーの群れ。

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