ピーマンづくりも家族との暮らしも、
スタートラインに立ったところ。

佐藤宏哉は平成元年生まれ。吉良川町(きらがわちょう)でピーマン農家の長男として育った。
父はハウス農家だが、露地での農業も知ろうと、東京農大農学科に進む。
「子供の頃から手伝いをしていて農業が好きでした。
大学選びの頃には、自然に後を継ぐ気持ちが固まって」。
4 年間で、全国の農地・土壌・地形について詳しく学んだが、
世界ジオパークにも認定された故郷の豊かさにはかなわないと思った。
だから、室戸に戻ることにためらいはなかった。
学生時代に知り合った妻との間に、この春、娘が誕生。
若いお父さんでもある。
作る品種は、型がよく色も鮮やかな「トサミドリ」。
「技術も経験もまだまだだけど、エコ農法に取り組んで、
あれこれ工夫したことが収量につながるのがうれしい」。
物静かな若き農業家は、ピーマンのことになると熱い。
自然相手なので、基本、休みはない。酒もつきあい程度。
まじめを絵に描いたようとは、まさに。
ピーマンづくりも家族との暮らしも、スタートラインに立ったところ。
未来ははっきりと見えているわけではないが、じっくり粘り強く前に進もうと思う。
そう、平坦な道ばかりでないコースを走るマラソンで、ゴールを目指すように。

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