室戸の観光遺産を生かす、 新しい拠点のひとつとして。

日本列島を北へ南へと回遊するクジラの、商業捕鯨が禁止される近代まで約300年にわたって捕鯨の町として栄えた室戸。
往時の室戸びととクジラの歴史を紹介するため、昨年春、鯨館は最新のデジタル技術を駆使した体験型資料館に生まれ変わった。
ここで理事を務める坂井智空は、室戸岬町の明星来影寺(みょうじょうらいえいじ)の住職でもある。
高校から高知市に出て、東京の大学・大学院を卒業。室戸に帰り、札所の「金剛頂寺(こんごうちょうじ)」住職である父の手伝いから始めた。
ご縁がご縁をよび、今では本職以外にいくつかの肩書を持ち、活動の輪は広がるばかり。鯨館の館長もそのひとつ。
「空海の足跡や捕鯨の歴史をうまく紹介して、室戸に観光で来た人の足を止め、お金を落としてもらう仕組みが作れないか」。
売りにつながるモノづくりにも大いに興味がある。そのために、鯨館やジオパークセンターなど外から人が集まる場所を魅力的に演出するのは大切だと考える。
「水の出る谷には知恵がついてくる」。
ユネスコ世界ジオパークに認定された強みを生かして、今までの観光遺産に新しい魅力づけをするきっかけになれたら。
鯨館のリニューアルも確実な一歩だ。

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