海成段丘の土壌が、 食味のよいデコポンを作る。

西山台地で唯一、デコポン(不知火)のハウス栽培を手掛けている。
岡村家の先祖がこの地に移ったのは天保8年。
遅い入植だったので海寄りの土地になったが、これがデコポン栽培にはよかった。
「昔は海だった土地。赤土の傾斜地は水はけも陽当たりもいい。
土壌も肥沃。温州みかんには向かないが、デコポンには合う」。
何度も摘果し、重みで落ちないように丁寧に玉吊りをする。
食べてみて舌で収穫時期を決める。
ハウスの天敵でもある西風や台風との戦いも何度も経験した。
ふつうのデコポンは1つが250g〜300gだが、ここでは400gにもなる。
丹精込めた大きくて食味のよいデコポンにファンは多く、キラメッセ室戸のほか直売ルートも増えている。
ふだんは仲良し夫婦と農学部出身の息子の3人で作業をしているが、「収穫の時は、近所の仲間が手伝ってくれる」。
「農業には定年がないき」と仕事に励み、たまの外飲みを楽しむ父。30年以上も続ける詩吟が趣味の母。
そしてヴィンテージもののファッションに詳しい息子。
それぞれに自分の世界を持った家族3人が、今年も、艶やかなオレンジ色のハーモニーを奏でる。

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