コラム

三陸ジオキャラバン報告会

2012年08月23日(木)

アズです。8月7日〜9日に東北地方、三陸海岸で行われました、「三陸ジオキャラバン」に、室戸ジオパークから2名参加させていただきましたが、そのキャラバンの報告会を、昨夜、おこないました。

報告会会場には約20名の方に聴講していただき、三陸海岸の今の状況(1年5ヶ月経った現在での被災・復興の様子)を伝えるとともに、三陸ジオパーク構想にむけて活動している、三陸海岸各市町村のガイドさんや行政職員の方々、そして地域住民の熱意について報告できたと思います。

室戸は、今後、南海地震の被災をうける場所でもあります。
ジオパークとしては、三陸海岸より先輩ですが、震災から立ち上がり、地域振興を行う強い気持ちは見習うべきところがあります。
そして、三陸海岸はリアス式海岸という特徴的な地形が、風光明媚な場所を作り上げ、そしてその地形が海流にも影響し、豊かな漁場を作り出していることも身をもって体験させていただきました。私たちから見ても「ジオ」の素材が三陸にはたくさんあり、そして「復興」へのエネルギーがジオパークに注がれていきつつある現場を見れたことは、私たちが逆に良い刺激を受けたぐらいです。
そして今回のキャラバンで学んだ以下3点のことを、昨夜は会場に来ていただいた方々に伝えました。

①三陸海岸の方々が室戸ジオから学んだこと。
大学の先生や学芸員が語るジオパークではなく、実際にジオパークに関わる人の「生の声」を聞いて、「私たちにもできる!」「既に行っていることが実はジオパーク活動なんだ!」ということを実感し、学んでもらえた。

②室戸ジオパークが学んだこと。
ジオパークも「人の活動」だけど、被災して、復興していく原動力も「人の活動」。
震災から1年5ヶ月しか経っていないが、悲しみをバネに体験談を伝える・広める活動をしているという、心の強さ。
伝えること言うことは、人を想うこと。
ジオパークで扱うことは「防災」だけではない。被災後にいち早く立ち直るための体制・仕組みづくりも大切であり、それを被災後に実行できる強さも必要。

③各ジオパークが行うべきこと。
日本のジオパークに成っている地域(なろうとしている地域)のほとんどは、今後も災害が起こる可能性が十分にある地域である。
災害を乗り越えていくために、大地の成り立ちを知る取り組みをしているのが、ジオパークの活動の根幹の一つである。
様々な災害が生じる場所(国)にあるからこそ、個々のジオパークだけで取り組むには、限界がある。
他地域との連携を行い、絆を深めることもこれからの日本ジオパークには必要になるのではないか。
災害をネットワークで乗り越えたい。

会場の方々も、被災後やジオパーク活動に向けた様子を聴講し、メモを取るなどして、室戸ジオとどこがちがうのか、何が学べるのかを真剣に聞いていました。昨夜のことが、口伝えで地域の方々に伝わっていくことだと思います。

なお、今回の報告会ができたことは、ジオキャラバンでお世話になった方々や三陸海岸の地域の方々のおかげです。
御礼を申し上げます。ありがとうございました。


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