スペシャルジオツアーの報告(天然杉)
桜の美しい1日(3月31日)でした。この日は、佐喜浜サイトとの天然杉サイトを巡る「巨木に会いにいく旅」でした。今回はちゃんと地形図も示します。
【注意】入林には届け出が必要です。入林する場合は、室戸市役所ジオパーク推進課までご連絡ください。予約すればガイドも受けられますよ。ただし、ガイドの数が十分でないのでお客様の日程とガイドの日程が合わない場合は、別日程に変更させて頂く場合があります。
ツアーは、桜の木からはじまりました。こんな美しいソメイヨシノの先に何があるのでしょう?
じゃ〜ん。炭焼窯です。ここは、杉本さんの窯。備長炭に使われる樹木は、カシやウバメガシです。ウバメガシは西南日本の太平洋側の山林に分布する、かた〜い木です。古くから室戸の産業を支えています。
今回のツアーの参加者はラッキーです。20日に一度の窯だしの日だったので、体験させてもらえました。
では、このウバメガシが分布する山に向かいましょう。
山道に入ると室戸の山や谷の断面が見えてきました(※この写真は今回のツアーの場所ではありません)。山をスパッと切ると、ウマメガシなどの植物は、基盤の砂岩泥岩と土石の上の薄い部分に根をはって生きている事がわかりますね。この土砂はどこから来たのでしょう?
室戸の山にある砂岩と泥岩の地層は、非常に崩れやすいため、崩落した場所が沢山あります。これから向かう天然杉の近くにも崩落地があります。その崩落した土砂は谷を埋めます。すると、下の地形図のように周辺よりも緩やかな傾斜の部分ができます。(google mapへ:下の地形図とほぼ同じ範囲)
では、こんな崩落地の多い山にはどんな木が生えているか見に行きましょう。おおお、太い木がありますね。これは杉です。樹齢は4~500年(推定)だそうです。このエリアは降雨量が多いため、成長が早く大きな木が沢山のこっています。傾斜が急なため、根は斜面にしっかり張って木を支えています。
では、さらに大きな木を見に行く前に、昼食ですね。室戸100%のお弁当です。この日はシレストさんのジオ弁当でした。
参加者の中には、チョウに詳しい方もいて、たまにチョウを捕らえて解説していただきました。標本も見せていただきました。こうやって、参加者の知識や技術とも絡みがあるのが、ジオツアーの面白いとこですよね。
さ〜、天然杉群で一番大きな「大杉」です。幹周りが12mで樹齢は推定1000年くらいとか(ほんとのところはまだ分かっていません。)。自分の木を支えるために斜面下方向へ伸びる根が立派ですよね。杉については以前も書いたことがあります(参照)
ということで、今回のツアーでは、崩落地や山の断面を見ながら、その上の樹木の天然杉を見に行きました。そして、この山に支えられた人々の暮らしも体験しました。もちろん、美味しい大地の恵みも食べました。天候に恵まれ、案内者である私も楽しくなっちゃうツアーでした。これから、こういうツアーが定期的に実施されるようになると良いですよね。佐喜浜サイトの方達は、それに向けてもう準備を始めています。他のジオサイトでもドンドンツアーを作っていって、良い方向に向かっていければと思います。
では、以上ツアーの報告でした。
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