コラム

室戸高校のジオパーク学

2013年11月21日(木) ジオ旅教育

室戸高校では、選択制の授業として“ジオパーク学”があります。室戸にある地域資源を勉強して、地球のことを学び、それを伝えられる人を育成するのが目的の授業です。生徒は、社会や理科分野の講義を受けるだけでなく、専門家の話を聞いたり、ガイドを受けたり、室戸の歴史や産業について地域の人にインタビューをしたりと様々な視点からジオパークのことを学んできました。さらに、8月からはジオツアーの準備も平行して行ってきました。そして、生徒たちはガイドや高校の先生らと協力してジオツアーの内容を考えてきました。地域の人とのコミュニケーションを通じて、生徒が地球や地域のことを表現する力を身につけるのが、室戸高校のジオパーク学の特徴です。

そのツアーの本番が、11月15日でした。

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生徒達が、ツアーの概要について説明しているところです。今日は、西山台地と吉良川の町並みに出かけます。さて、どんなツアーが始まるのでしょうか?

移動中の話は、生徒の特技である釣りの話で始まります。

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彼は、釣りが得意で、「港ではイカ、浜ではボラ、岩礁ではグレが釣れます。」「いつも、釣りに来ていた場所が貴重な遺産だったとは知りませんでした。」と写真を見せながら話が進みます。さらに、料理の仕方や高校生の時の話を、お客さんに適宜ふりながら、お客さんが質問や意見を言い易い雰囲気をつくってくれました。ナイス、アイスブレイクです。

 

下の写真は、彼の釣り道具(リール)です。なんと2万円弱もするこのリールは、柚子の収穫のアルバイトでお金を貯めて買ったそうです。高知の高校生らしいアルバイトに、参加者一同が拍手!

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西山台地に到着すると、西山台地にあるクサリレキ(段丘に分布する円摩された礫。通常の礫と比べ、周囲が赤茶けた色をしていいるので、クサリレキと呼ばれている)を紹介してくれます。「これが吉良川の石垣(いしぐろ)にも使われているので、ぜひ見つけてくださいね。」と2カ所のジオサイトのつながりも紹介してくれました。

そして、、、、

台地で生産された西山金時でつくったお菓子を試食させてもらえました。この台地では、芋の他にも柑橘類やナスやトマト、ほうれん草、グリーンピースなどを作っていて、日当りが良くて水はけが良いので美味しいそうです(この話は、生徒が農家さんからインタビューして仕入れたネタ)。

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バスに乗る時もちゃんと誘導してくれます。「お・も・て・な・し」ですね。

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移動のバス中では、台地で見られたコスモスの花言葉や11月15日は坂本龍馬の誕生日であり命日であるという情報を提供をしてもらえました。いずれもこの日にツアーが開催されることを想定して準備していた情報でした。これは、自分達のガイドでも真似したいって思いました。

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西山台地の次は、古い町並みです。西山台地は、隆起した土地で農業が行われている場所ですが、吉良川町の古い町並みは、隆起した土地で人が暮らしている場所です。下の写真の彼女は、緊張して前日はほとんど寝れなかったとか。それでも、白壁、水切り瓦、石垣(いしぐろ)など吉良川の建築の特徴を的確に紹介してくれました。

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最後は、いしぐろ(石垣)の中から“クサリレキ”探し!

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この後、バスの中でエンディングでした。来週27日は、佐喜浜を部隊にもう一つのジオツアーが開催されます。それも楽しみです。

さて、高校生から多くのことを学ばせてもらいました。

  • 自分の趣味や好きなこととジオとの関わりで客を引き込む(個性を活かす)
  • 質問やクイズを出して、お客さんにしゃべってもらう(参加者とコミュニケーション)
  • 少し難しい内容は、集中してバスの中で説明する
  • お客さんへの丁寧な誘導(おもてなし)
  • 事前に季節の話やその日の話題を調べておく(リアルタイムな情報提供)

これは、現役ガイドさんにも伝えたいことですし、私も勉強になりました。生徒の皆さん、ありがとう!!

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