コラム

来年もよろしくお願いいたします

2010年12月29日(水)

Aです。2010年ももうすぐ終わりですね。私は5月に推進室に来ましたが、あまりにも怒涛の1年だったので、ちょっと今年を振り返って書かせて下さい。

私にとって、ジオパーク活動の底にあるテーマはずっと、「つながり」だった気がします。

これに関わっていると、子供の時から見慣れた岩や地形に、世界が認める価値があるとわかって来ます。それがうれしい。でも、始めのうち「ジオパークをやる意義の一つは、地元にプライドが持てること」などと人に言っても、口先だけで言ってる気がしていました。室戸に関してカジった私の知識はみんなブツ切りでした。

そのうち、あのサマースクールです。子供たちと一緒に炎天下、今までと全然違った目線で室戸を見つけに行きました。そして、現地審査。一緒に苦労してイベントをこなし、審査員の先生方からの指摘を一緒に受けとめた人々と、つながりを実感しました。その反面、「ストーリー性」というチャレンジに立ち向かう足並みは揃わず。「審査員に気に入られるためだけに動いている」と決め付けられることもたびたび。でも、そういう次元の話じゃない。ブツ切りの知識は、ストーリーでつながったら納得できる。つながりをたどろうとするから、好奇心が広がって、もっと見たり知ったりしたくなる、そういうことなんじゃないかと。私にとって、地元民ゆえに気づかなかった室戸の自然の恵みを、「つながり」を通して再発見するのは、新鮮なうれしさなんです。そんなうれしさを人にも感じてもらう方法を知ろうと、インタープリター養成講座に行ってみたら、そこでも出てきたのは「全体を貫くコンセプトやストーリー性」の練習でした。

やがて世界申請書の作成開始。英訳をするには内容をわかって噛み砕く必要があるので、何度も何度も説明してもらい、何度も何度も変更箇所を訳しては捨てました。あの時点で提出というのは、本当に悔しく申し訳なかったです。でもその中で初めて、ここの大地が辿ってきた物語のあらすじが自分なりに「つながった」と思えた時、思わず口走りました。「室戸って、すごいやん!!!」

今は看板に取り組んでます。英訳作業をしながら、この看板を見てそれをキッカケに室戸に惚れ込んでもらいたい人たちの顔が、ずっと頭に浮かんでます。海外ジオパークのメンバーや現地のガイド仲間。お世話になった人、アドバイスをくれた人の顔。でもそれより多くの、まだ見ぬ世界中の人達が、きっとこれからこの看板を見てくれるんですよね。「つながり」はこれからも広がり続けますよね。それを感じながら、2011年も、1歩ずつ進んでいきたいと思います。

今年1年お世話になった皆様、本当にありがとうございました。私がジオパークのために役立つ分より、多くのものを私の方が頂いていると、心から思います。

来年もよろしくお願い致します。

(ところで、写真は室戸岬の菜の花です。ホテル明星の横では、もう咲いてますよ。来年もよろしくという挨拶と菜の花が同時期っていうのも、室戸ならではですかね。)

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